障害年金「知的障害と統合失調症は別傷病?」

障害年金請求において、知的障害と統合失調症が併存しているようなケースでは、2つの病気を同一傷病とみるのでしょうか。あるいは別傷病とみるのでしょうか。あまり考える機会はないようで、よくあることです。

統合失調症で年金請求をしたが・・・

昨年、統合失調症で長いこと通院しているという方から、筆者の事務所に「障害年金の相談電話」がきました。正確に言えば、電話の相手はその方のお母様でした。統合失調症で障害年金請求を検討しているのは、Y市在住のZさん(30代後半・男性)。10年前から統合失調症を患い、通院していましたが、体調はなかなか良くならず、家にこもる日々が続いたそうです。将来を心配したお母様が、障害年金のことを知り、筆者の事務所に電話をくれたのです。Zさんのお母さんは『障害年金のことは全くわからないから・・・』ということで、筆者がZさんの障害年金請求においてのいっさいの行為を行うようになりました。「10年以上前から家から出れない状況」ということでしたので、障害年金の等級に該当する可能性はあるでしょう。主治医の先生も障害年金の請求を勧めてくれているそうです。あとは「納付要件」が気がかりでした。Zさんは高校を2年で中退し、それから一度も定職につかず、アルバイトを転々としていたということです。その話が本当だとすれば、Zさんの障害年金は障害基礎年金です。委任状をいただき、本格的に動き出したのですが、筆者は出鼻をくじかれます。Zさんは20歳になってから一度も年金保険料を支払っていなかったのです。「納付要件」はかすりもしません。Zさんの統合失調症での初診日は20を過ぎてからですから「20前傷病」にも該当しません。障害年金の受給への道は早くも、「夢破れた」形になりました。

統合失調症「知的障害かも?」

知的障害であることが判明

20歳になってから、一度も年金を支払っていなかったZさん。統合失調症での障害年金請求の途はあえなく絶たれたわけですが、ひとつ気になったのがZさんの症状。お母様から伺っているお話をきいている限り、確かに統合失調症の症状が顕著なのはわかったのですが、どうも知的な遅れがあるような気がしたのです。Zさんは高校中退でしたが、その高校は、言い方は悪いですが、難易度は一番低いところでしたし、かつて受任した方が、Zさんと同じ高校を出ていて、知的障害で障害基礎年金を受給していたのです。お母様の言葉をそのまま挙げれば『本どころか漫画の文字も読めない』『コミュニケーション能力が低く、小学校からずっといじめられていた』『簡単な計算ができない』など、知的障害の方の障害年金を請求をお手伝いさせていただくときの聞き取り調査で、よく伺うお話だったたのです。大変失礼なことは承知の上で、筆者はお母様に『もしかしたら、知的障害の症状がおありのような気もしますが、どうでしょうか。』と申しあげました。お母様も『何となくそんな気もしてたのですが、医師も何も言わないですし・・・』とおっしゃいました。そこで、いつも通う精神科とは別の病院で検査をしてもらったところ、軽度の知的障害ということが判明しました。

知的障害・統合失調症「別傷病?」

30代後半にして、軽度の知的障害ということが判明したZさん。Zさんとは、障害年金に関する委任契約はすでに切れていました。ただ、『知的障害で障害年金を請求するという選択肢もあるのではないか、知的障害なら「納付要件」は問われないですから・・・』とZさんのお母様にお話をしたような気がします。Zさんのお母様はさほど気に留めていませんでした。しかし、その数カ月後にZさんのお母様から電話があり、筆者との委任契約が終了したすぐに、知的障害で、20歳前傷病ということで、障害年金を請求していたということを知ります。『あの後、先生が言っていたように、知的障害で障害年金を請求してみたのです。そしたら2か月ちょっとして、「不支給」の通知がきたのです。もうあの子は障害年金をもらうことはできないのでしょうか?』Zさんのお母様は涙ぐみながら、そう言っていたのを覚えています。Zさんの知的障害での診断書を見ましたが、統合失調症のことはいっさい触れられていなかったはずです。知的障害単体で障害等級不該当だったということです。であれば、知的障害と統合失調症を併せた状態で診断書を記入してもらい、障害年金を請求できないのか?ということを考えました。そこででてくるのが、「知的障害と統合失調症は別傷病か、それとも同一傷病か」というはなしです。さてどうなのでしょうか?

「別傷病なの?同一傷病なの?」

知的障害や発達障害と他の精神疾患が併存している時はどう扱うのか?

それにしても、知的障害や発達障害と、統合失調症などの精神疾患が併存している時は、それらは別傷病と扱うのでしょうか、それとも同一傷病と扱うのでしょうか。平成23年7月13日付けで、厚生労働省は以下のように回答しております。

知的障害や発達障害と他の精神疾患を併発しているケースについては、障害 の特質性から初診日及び障害状態の認定契機のついて次のとおり整理するが、 認定に当たっては、これらを目安に発病の経過や症状から総合的に判断する。

(1) うつ病又は統合失調症と診断されていた者に後から発達障害が判明 するケースについては、そのほとんどが診断名の変更であり、あらたな 疾病が発症したものではないことから別疾病とせず「同一疾病」として扱う。

(2) 発達障害と診断された者に後からうつ病や神経症で精神病様態を併 発した場合は、うつ病や精神病様態は、発達障害が起因して発症したも のとの考えが一般的であることから「同一疾病」として扱う。

(3) 知的障害と発達障害は、いずれも20歳前に発症するものとされてい るので、知的障害と判断されたが障害年金の受給に至らない程度の者に 後から発達障害が診断され障害等級に該当する場合は、原則「同一疾病」 として扱う。 例えば、知的障害は3級程度であった者が社会生活に適応できず、発 達障害の症状が顕著になった場合などは「同一疾病」とし、事後重症扱 いとする。 なお、知的障害を伴わない者や3級不該当程度の知的障害がある者に ついては、発達障害の症状により、はじめて診療を受けた日を初診とし、 「別疾病」として扱う。 (4) 知的障害と診断された者に後からうつ病が発症した場合は、知的障害が起因して発症したという考え方が一般的であることから「同一疾病」 とする。

(5) 知的障害と診断された者に後から神経症で精神病様態を併発した場 合は「別疾病」とする。 ただし、「統合失調症(F2)」の病態を示している場合は、統合失 調症が併発した場合として取り扱い、「そううつ病(気分(感情)障害) (F3)」の病態を示している場合は、うつ病が併発した場合として取 り扱う。)

(6) 発達障害や知的障害である者に後から統合失調症が発症することは、 極めて少ないとされていることから原則「別疾病」とする。 ただし、「同一疾病」と考えられるケースとしては、発達障害や知的 障害の症状の中には、稀に統合失調症の様態を呈すものもあり、このよ うな症状があると作成医が統合失調症の診断名を発達障害や知的障害の 傷病名に付してくることがある。したがって、このような場合は、「同一 疾病」とする。

(参考) 発達障害は、ICD-10では、F80からF89、F90からF98にあたる。

<給付情 2011-121>より

Zさんのケースは、上記(6)にあたります。つまり、知的障害である人が、後に統合失調症に発症することは、レアなケースということで、原則「別傷病」であるということです。しかし、「同一傷病」と取り扱うケースもあるということで、厚生労働省の見解によれば、「発達障害や知的 障害の症状の中には、稀に統合失調症の様態を呈すものもあり、このよ うな症状があると作成医が統合失調症の診断名を発達障害や知的障害の 傷病名に付してくることがある。したがって、このような場合は、「同一 疾病」とする。」ということです。しかし、これもよく意味はわかりません。というのも「知的障害の症状の中に、統合失調症の様態を呈すもの」とはいったいどういったものなのかはわからないからです。

まあ、原則的に、知的障害と統合失調症は「別傷病」と扱われるということでしょう。

知的障害・統合失調症「別傷病なら」

障害年金は受給できるのか?

Zさんは、30代後半の男性。10年以上前から通院している統合失調症では、「納付要件」がなく障害年金は請求できません。知的障害では請求するものの、「不支給」。では知的障害と統合失調症の症状を併せた形で障害年金は認定できないのでしょうか。両傷病は「別傷病」ということです。そもそも、二つの傷病を別々に請求しようにも、統合失調症の初診日には、年金を全く払っていないということで「納付要件」はありません。では「はじめて2級」での請求はできないのでしょうか。知的障害が障害基礎年金2級不該当とすれば、「はじめて2級」という方法も考えられそうですが、どうでしょう。知的障害の初診日は生来性ということになりますので、後発の傷病は統合失調症です。ですから、初診日要件は統合失調症の初診日で見ます。そうなると、それこそ「納付要件」がありませんので、この可能性もありません。

先述した、厚生労働省の見解である「発達障害や知的 障害の症状の中には、稀に統合失調症の様態を呈すものもあり・・・・」という状態ではないかということも、主治医にあたってみましたが、その先生の見解では『そういったものではありません。』ということでした。

残念ながら、Zさんは障害年金を受給することはできませんでした。やはり、年金はきちっと納めていなくてはならないということでしょう。

障害年金「知的障害と統合失調症は別傷病?」

原則的に、知的障害と統合失調症は「別傷病」という扱いになります。しかし、稀に同一傷病と扱われることもあります。主治医に確認してみてはいかがでしょうか。

統合失調症「障害年金の更新はいつ?」

『統合失調症の場合、障害年金の診断書の更新はいつなのですか?』

数カ月前に、筆者が障害年金の請求代理を行った統合失調症の方から、「支給決定」の報告をいただいた際に、受けた質問です。さて、統合失調症の場合、次の診断書の更新時までの年数はきまっているのでしょうか。

統合失調症「障害年金支給決定」

数カ月前に、筆者の事務所に相談にいらした方は、統合失調症を患い長年通院しているという40代後半の男性の方でした。20年以上その病気を患っていました。一流企業に勤務されていたのですが、次第に会社に行けなくなり、退職を余儀なくされているとのことです。結局、筆者が受診し、障害厚生年金をいわゆる事後重症請求しました。それから数カ月後、障害厚生年金3級の支給が決定し、請求者の奥様から筆者の事務所まで「決定」の報告電話がありました。こちらとしても、大変安堵する瞬間です。その時、ある質問をうけました。その質問とは、『障害年金は一度きまっても、また何年か経ったら診断書を更新しなければならないと聞いていますが、統合失調症の場合、更新は何年後とかきまっているのですか?主人の場合はいつなのですか?』というものでした。請求者の奥様のこの質問は少しずれているのかもしれません。障害年金の診断書の次回の更新時期は、傷病ごとにきまっているわけではありません。「うつ病だから更新の時期が3年後」だとか、「統合失調症だから更新の時期が5年後」とかという規定はなく、うつ病でも5年の場合もありますし、統合失語症でも3年ということもあります。それは認定医がきめることなのです。

統合失調症「更新は3年後?」

先ほどの、統合失調症で障害年金の支給が決定した方の次回の診断書の更新時は3年後ということでした。しかし、統合失調症だから更新時が3年ときまっているわけではありません。また障害年金3級だから3年というわけでもありません。先述しましたが、これは認定医が、障害認定基準をもとに、今までの病歴などを勘案し、その病気の症状が変わっていく可能性を探りつつ決めていると言われています。しかし、よく考えてみると、更新の時期の2年と3年の違いは何か、ということの説明をつけられる人はいないような気もします。先の統合失調症で障害年金の受給が決定した方の更新時は初回は3年でしたが、筆者がだいぶ昔、同じ統合失調症で同じような病歴の方の案件を受任しましたが、その方の次回更新は2年後でした。なぜ3年じゃないのだ、という疑問もわかなくもないですよね。細かい話で恐縮ですが。

障害年金の更新時期は、1年というひともいれば、長いひとだと5年というひともいます。受給がきまり、症状の固定がほぼ認められるようなひとは、次回の更新が必要ない「永久認定」となる場合もありますが、一度障害年金の支給が認定されたとしても、定期的に診断書の提出を求められる「有期認定」というひとのほうが多いのではないでしょうか。

まず、年金証書が着いたら、証書の表面の右下に書いてある「次回診断書提出年月日」というところをご確認してください。例えば、その年月日が平成31年5月と書いてあれば、平成31年5月末日までに新たな診断書を提出しなければなりません。まだ先のことですが、記憶の片隅にでも置いておいてください。

統合失調症に限らず「更新」とは?

障害年金の「更新」を考える

統合失調症に限らず、障害年金の診断書の「更新」について考えてみましょう。インターネットを見れば、「障害年金の更新は5年だ。やれ2年だ」と断定的に書いてあるものが多いです。しかし、先ほどもふれましたが、ケースバイケースで、2年のひともいれば、5年のひともいます。1年というものもあれば3年ということもあります。同じ障害等級でもどちらかといえば症状が軽いとおもわれるひとほど、次回更新は短いと言われています(例えば1年とか)。筆者の知っている方で、肢体の障害で3級の方がいましたが、初回の更新が1年。2回目も1年。3回目になって3年となった方がいます。こういうふうにだんだんとスパンが長期的になっていくのが妥当でしょう。つまり、改善が予測されそうな方は最初は更新の時期は早いのです。場合によっては、症状が改善されているような場合、最初が3年の更新でありながら、2回目は2年と短くなるというケースもあるといいます。また、1年更新のひとでも、誕生月が裁定日から1年に満たないときは、その翌年になります。例えば事後重症請求をしたのが1月で、誕生日が10月というひとで、更新が1年というひとがいたとします。その方の更新は翌年の10月となるということです。まあ、年金証書をもらってわからないことがあれば、管轄の年金事務所にきいてみるのが一番てっとり早いでしょうね。

障害年金「障害状態確認届」

更新時の診断書の正式名称は?

ところで、先ほどからいっている、障害年金の更新時の診断書の正式名称をご存知でしょうか。それは「障害状態確認届」といいます。その書類は、障害基礎年金だけをもらっている場合は、管轄の市役所などへ提出します。障害厚生年金をもらっている場合は、東京の「年金機構本部」へ郵送します。ですが、先ほども言いましたが、障害年金が裁定された日から、1年以内に提出の指定日(誕生日の属する月の末日)が到達する時は、その年に「障害状態確認届」を提出する必要はありません。それは、額改定請求した日から1年以内に提出の指定日が到達する時もそれを提出する必要はありません。あと、支給停止の解除なされた日から1年以内に提出の指定日が到達する時も同様です。そして障害年金が「支給停止」されている時も提出の必要がありません。

障害年金「更新時の注意点」

障害状態確認届の注意点は?

障害状態確認届の提出はものすごく大事なものなので、提出指定日から数カ月前になったら、心の準備が必要です。提出指定日を厳守するようこころがけましょう。しかし、期限を守ることは非常に重要なのですが、それ以上に大切なのは「診断書の内容」ではないでしょうか。提出期限を守ることばかりにとらわれて、たいして確認をせずに、おざなりの内容の診断書を提出してしまい、支給停止処分になってしまっては本末転倒です。診断書ができあがったら必ずチェックしましょう。内容が、実際の症状と解離がありすぎるなど、納得いかないものであれば、なおるなおらないは別として、医師にかけあってみるほうがよいでしょう。少しくらいの提出の遅れであれば、差し止めにはならないことがあるといいますので、まずは内容を重視することです。

また、診断書(障害状態確認届)で注意しなくてはならない項目として、指定日(提出期限・誕生月末日又は20歳前障害の時は7月末日)以前、ひと月以内の現症日の診断書(障害状態確認届)を提出しなくてはなりません。実は診断書(障害状態確認届)は指定日の前月に自宅に郵送されてくるのですが、前月の現症日では受け付けてもらえない時があります。

それと、送られてきた診断書(障害状態確認届)の種類はただしいものかもチェックしてください。間違えて送られてくることはそうないかと思いますが、例えば、最初の認定の時に、複数の障害の診断書を提出しているような場合に、それらの診断書の全てが来ないようなことは、まれにあります。おかしいなと思えば、年金事務所に確認することです。また、最初にはなかったものの、別の障害がでてきて、それが因果関係のあるような場合は、更新時に新たな種類の診断書を提出するということもありです。障害等級が上がりそうな時には、額改定請求書を「同時請求」することもできます。

ひとえに、障害年金の更新といってもチェックポイントはけっこうあるものなのです。

ところで、先の筆者の統合失調症の方ですが、障害年金の更新については、その時期になったら、こちらから連絡をとるということで、納してもらいました。あまり先のことで気を病むことは、けっして体調によくないと思ったからです。

統合失調症「障害年金の更新はいつですか?」

最近こんな質問を受けました。

傷病によって「更新」のサイクルがきまっているわけではありません。更新はとても大切なものなので、きちっと理解する必要はあるのですが、あまり先のことに気を病みすぎるのもいけません。「次回診断書提出年月日」の数カ月前くらいから考えるくらいでもいいかもしれません。心配なら、年金事務所や障害年金が得意な社労士さんに相談してみてはいかがでしょうか。

「人工透析で障害年金を請求できるのですか?」

『人工透析を受けていますが、障害年金を請求できるのでしょうか?』という質問を受ける機会が多いです。人工透析を受けている方は障害年金の2級に当たるのですが、意外と知らない方は多いです。基本にかえって、人工透析で障害年金を受けるにはどうすればいいか考えていきましょう。

人工透析「障害年金を受けれるか?」

人工透析を受けている方は、納付要件さえあれば、障害年金2級をもらえるということを知らない方はまだまだいらっしゃいます。本当です。最近もそういう方に逢いました。名前を仮にAさんとしましょう。人工透析を初めて8年以上になる方です。その方は障害者手帳を取得していたのですが、役所は何も教えてくれなかってそうです。Aさんは筆者の事務所の「障害年金無料相談」で知り合ったわけではありません。たまたま知り合う機会があり、色々しゃべっているうちに、人工透析を受けているということを知りました。Aさんは現在57歳です。青果店を経営しているのですが、週3回の透析で時間を取られて、業務にはかなり支障がでています。息子さんがほぼ仕切っていて、奥さんも可能な限店を手伝っています。『Aさんは、障害年金を受けているのですか?』という筆者の質問に対して、Aさんは『障害年金って何ですか?』と返してきました。筆者は驚きました。Aさんは障害年金の存在じたい知らなかったのです。これだけインターネットで障害年金の情報があふれているのにです。人工透析をうけていれば障害年金の対象になるということすら知らない方がまだまだいるのです。筆者は雑談のついでで、障害年金のことを少し話しました。『人工透析を受けていたら障害年金を受けれるの?』とAさんの驚きは隠せませんでした。

「人工透析療法施行中のもの」

腎疾患による障害(認定基準)

障害認定基準の第12節/腎疾患による障害には以下の記述があります。

(7) 人工透析療法施行中のものについては、原則として次により取り扱う。
ア 人工透析療法施行中のものは2級と認定する。
なお、主要症状、人工透析療法施行中の検査成績、長期透析による合併症の有無とその程度、具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する。
イ 障害の程度を認定する時期は、人工透析療法を初めて受けた日から起算して3月を経過した日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く。)とする

つまり、つまり人工透析を受けているという事実で、障害年金2級をもらえるのです。先のAさんですが、そのことを全く知りませんでした。障害者手帳もずいぶん前に取得しているのにかかわらず、役所は何も教えてくれなかってそうです。透析を受けている病院からも何も教えてもらえなかった、Aさんはそう言っていました。ちょっと寂しい気もしますが、知らなかったことは仕方ありません。Aさんは、現在S市の市内に3件の八百屋を出店しています。創業20年以上になります。ずいぶん前に法人登録しています。腎機能に異常を感じたのが10年くらい前で、初診日は厚生年金でした。人工透析を受ける2年前です。障害認定日には人工透析も受けておらず、それほど症状も悪化していなかったとのことで、障害年金は事後重症請求となります。もし8年前に人工透析を受け始めた時に障害年金の存在を知っていれば、その時期から障害厚生年金を受給できていたのです。ざっと計算してみましたが、8年で800万円ほどの「損失」でした。やはり、知らないというのはこわいことなのです。

人工透析「障害認定日は?」

ところで、人工透析を受けている人が、障害年金を請求するタイミングはいつなのでしょう。よく、人工透析を受ける方の障害認定日は、透析を受けてから3ヵ月経過した日という情報が流れていますが、それは若干違います。初診日から1年6か月を経過する以前の場合がそうなのであって、1年6ヵ月を超えていれば、透析を受けはじめたら、3ヵ月経過しなくても障害年金を請求することができるのです。このあたりを少し誤解している方が多いのであえて触れておきましょう。これは請求者のみならず、役所の担当者も間違えることがあるので注意です。この前もこんなことがありました。障害認定日から5年以上経過した方が透析を開始したので、病院に障害年金の診断書をもっていき、記入の依頼をしたのですが、そこの病院の相談員さんが『○○さんは、透析を初めて2週間ですから、障害年金の診断書を書くことはできません。』と断られたのでした。筆者も何も考えず『ああ、そうでしたね。人工透析を受けて3か月経過しなければ、障害年金の対象とはなりませんもね。』と引き下がってのですが(そういう意味では筆者も間違っていますね)、筆者の事務所に戻って、よく考えてみらば、初診日から1年6ヵ月(原則的な障害認定日)を経過していたら、人工透析をはじめて3ヵ月経過せずとも障害年金は請求可能なのです。もう一度その病院に戻り、障害認定基準のコピーをもって、診断書の記入を依頼したところ、快く診断書を記入してくれました。このあたりのことは案外間違いやすいので注意しましょう!

腎移植「障害年金どうなる?」

一度人工透析を受けると未来永劫、障害年金を受けることはできるのでしょうか?そういうわけではありません。障害認定基準には以下のような記述があります。

腎移植を受けたものに係る障害の認定は、本章「第18章/その他の障害」の認定要領により認定する。

腎臓移植の取扱い
ア 腎臓移植を受けたものに係る障害認定に当たっては、術後の症状、治療経過、検査成績及び予後等を十分に考慮して総合的に認定する。
イ 障害年金を支給されている者が腎臓移植を受けた場合は、臓器が生着し、安定的に機能するまでの間を考慮して術後1年間は従前の等級とする。また、腎障害など内科的疾患の場合は、症状固定が条件の障害手当金は支給されません。 内科的疾患の場合は、症状が固定したとされることが医学的にないと考えられるからです。

つまり、腎移植を受けた場合は、術後1年ほど経過した頃に、その症状を見きわめたうえで、再度認定を行うということになります。人工透析を行っているころには障害年金をもらっていなかった方が、腎臓移植をした後に障害年金の存在を知り、請求を試みる方がいますが、症状が改善していることにより、障害年金が不支給となってしまうことがあります。また、透析で障害年金を受給している方が、腎臓移植をし、支給停止や減額処分となってしまうこともあります。

障害年金と身体手帳

人工透析の扱いの違い

障害者手帳と障害年金を同じくとらえる方はまだまだ多いです。身体障害者手帳とは、身体障害者福祉法にのっとった「障害認定基準」にあてはまる方に交付されます。身体障害には等級が定められていて、1級~6級に区分されていて、等級によって、それぞれ福祉サービスを受けられます。いっぽう障害年金は国民年金法・厚生年金保険法にのっとり、権利のある方が受給できます。 人工透析を受けられる方は身体障害1級の申請ができます。しかし、人工透析を受けていても、障害年金は2級になる方がほとんどです。この辺を勘違いしている方がいるので気をつけましょう。

それにしても、障害年金のことを知らない方はまだまだいらっしゃいます。筆者も含め、障害年金の「現場」に携わるものは、まだまだぢょりょくが足りないのかもしれません。本来受給すべき方が受給できるように、頑張らなければならないかもしれません。

「人工透析で障害年金を請求できるのですか?」

現在でも、この質問よくうけます。これだけインターネットで障害年金の情報を得られる環境にある昨今でも、まだまだ障害年金の存在を知らない方は数多いのです。人工透析を受けている方は、「納付要件」さえあれば障害年金2級は受けれます。これは間違ありませんが、透析を受けて8年間経過していて、それを知らない方に、つい最近逢いました。

 

障害年金「年金証書の見方がわからない。」

最近、筆者の事務所の「障害年金・無料相談ダイヤル」に年金証書関係についての質問をされる方が多いです。今回は障害年金においての年金証書について少し触れてみたいと思います。

障害年金「年金証書がわからない」

障害年金の支給は決まったが

最近、筆者の事務所の「障害年金・無料相談ダイヤル」に年金証書の見方がわからない、という相談をされる方が多い気がします。

障害年金の支給がきまり、まずは一安心といったところでしょうが、何やらわけのわからない書類が入っていて不安になる方はけっこう多いといいます。「ちゃんと年金は出るのだろうか?」「間違えて支給されてたらどうしよう。」などなど。せっかく障害年金がきまり、若干ですが、安定した収入が入ることが確定したのに、なんだか気持ちが悪いですよね。もう障害年金がきまったということなので、安心して、体調がよろしい時にでも、ご不明な点をかいつまんで、請求先の年金事務所等に問合せてみてはいかげでしょう。筆者の事務所に質問されてもかまわないのですが、こういった事務的なことは、やはり年金事務所等に伺うほうがいいでしょう。ただ、めったにあることではないのですが、年金証書にも事務的な間違いがあることもありますので、郵送されてきたら隈なくチェックして、「間違いがあるのでは」と感じたら(結果として間違っていなかったとしても)、納得いくまで聞いてみたらいいでしょう。そう、自分のことは自分で守る。これが障害年金を受給する上でとても大切なことであります。もちろん、筆者の事務所に相談に来られた方には、できる限りのことをしてあげようと思っています。

年金証書「請求日の等級は?」

障害年金の支給は決まったが

そういえば、1年くらい前に、筆者の事務所での「障害年金無料相談会」にて、年金証書についての相談がありました。それはたしか以下のような内容であったとおもいます。

『支給開始日は5年ほど前なので、障害認定日請求に3級が認められたということはわかります。しかし、障害認定日の頃に3級というのはわかるのですが、請求日の頃の状態はすこぶる体調は悪く、2級をもらうつもりでいたのですが、どこにも2級と書いていません。障害年金の2級は無理だったのでしょうか?』というものでした。

結論から言って、請求日において2級は受給できるかかどうかはわかりません。障害認定日と請求日において等級が異なるときは、後に「支給額通知書」というものが届くことになっています。ですから、この相談者さんは、障害認定日の時は3級であるということは、この時点ではっきりしていますが、請求日の等級は、まだわからないでしょう。もし障害年金が2級であるのなら、「支給額通知書」がそのうち届きますので、少々お待ちください。ただ、その「支給額通知書」がなかなかこない場合もあるので、心配なら、年金機構本部、事務センター、管轄の年金事務所等に電話などで問い合わせてみてはいかがでしょう。そこで「額改定」が確認できるかもしれません。しかし、請求日の等級が変わらないという時もあります。それに納得できなければ、あとは審査請求を検討することになるでしょう。

障害年金「遡りできたか?」

年金証書の見方

先ほども述べましたが、障害年金の支給が決定したら、決定通知といっしょに年金証書が郵送されてきます。年金証書は初見では、ちょっとわかりづらいものです。以前、障害認定日請求で受給権がついているのか、事後重症請求で受給権がついたのかで悩んでいて相談に来られた方もいました。それは非常に大事なことです。まず、年金証書の上の部分に書いている「受給権を取得した年月」を見てみましょう。そうするとよくわかります。この年月日が障害認定日の日付になっていれば、認定日請求で認められたことになります。障害認定日では受給権がつかず、事後重症請求で認められた場合はそこの日付は、請求日の年月になっています。「受給権を取得した年月」が記載されている少し下のほうに、「支払開始日」という欄があります。ここを見ても、障害認定日で認められたかどうかがわかります。例えば受給権を取得した年月が「平成19年2月」だった場合、支払い開始日は「平成19年3月」となります。ここをチェックすれば、障害認定日請求が認められたか、それとも事後重症請求で受給権がついたかがわかるはずです。細かいはなしですが、認定日請求で受給権がつかなかった場合、障害認定日請求においての「不支給」の通知もいつしょに送られてくるでしょう。いっけん些細なことかもしれませんが、こういった知識はあっても損はしません。もちろん管轄の年金事務所に聞いても教えてくれるはずです。

年金証書「初めて2級の場合」

先ほど、「支給開始年月」は「受給権を取得した年月」の翌月になっていると述べましたが、「初めて1級・2級」の場合は少し違ってきます。「初めて1級・2級」は「事後重症請求」と同じものであるという誤解をしている方がいます。しかし、それは間違いです。つまり、障害年金が認められたとき、「事後重症請求」の場合、「受給権を取得した年月」が請求日になり、支給日はその翌月です。「初めて1級・2級」も、これと同じだと主張する方は多いのですが、誤りです。「初めて1級・2級」の場合は、「受給権を取得した年月」は「初めて1級・2級」が認められた日となり、「支給開始年月」はその翌月とはならず、請求日の翌月となるのです。ですので、「初めて1級・2級」で受給権がついた場合は、必ずしも「受給権を取得した年月」の翌月が「支給開始日」とはならないということを覚えておいてください。「初めて1級・2級」の受給権が、例えば5年前についたとしても、5年分の障害年金が遡及されるということはありません。あくまで支給月は、請求日の翌月であります。ここの部分は、「事後重症請求」と同じです。しかし「初めて1級・2級」の場合は、受給権がついた時にさかのぼって、支払った国民年金の年金保険料が還付されるというメリットがあります。障害年金を請求する方で、生活に困窮している方もいらっしゃいます。そういう方で「初めて1級・2級」が認められそうな方は、受給権が遡ってつく可能性があるのなら、そこにこだわってみる価値はあるのです。

障害年金診断書「更新はいつ?」

あと、障害年金の年金証書で確認すべきポイントのひとつとして、「次回診断書提出年月」があります。年金証書が到着したら、この部分もしっかりと確認しましょう。障害年金の支給が決定したとしても、未来永劫受給できるとは限りません。必ず何年間に1回、新たに診断書を記入してもらい、年金機構に提出しなければなりません。そしてまた認定してもらうのです。この診断書の正式名称は「障害状態確認届」といいます。これを次回はいつ提出しなければならないのでしょうか。その日付が年金証書の「次回診断書提出年月」の欄に記載されています。年金証書でいえば、表面の右下のあたりです。例えば、次回の診断書提出月が平成31年8月と記載されていれば、その月の末日までに診断書を提出しなければならないのです。もし次回の更新時に診断書を提出せずにいたら、障害年金が差し止めになるので注意しなければなりません。また年金証書を新たに発行された場合、「次回診断書提出年月」の記載がありませんので、最初にきた年金証書は必ずコピーしておくことをお勧めいたします。

障害年金「年金証書の見方がわからない。」

障害年金の支給が決定されれば、その後年金証書が送られてきます。しかし、その内容がよくわからないという方がけっこういらっしゃいます。ほっておくとフアンが募るので、納得いかなければ、管轄の年金事務所に確認してみましょう。また、請求を社労士に頼んでいたとしたら、その社労士に問合せしてください。

「私は精神障害で2級の年金をもらえますか?」

『私は精神障害で2級をもらえますか』

筆者の事務所が行っている、障害年金の無料相談にて、そのような質問を受けることが多いです。精神の障害で障害年金2級の支給が認定される状態とはそのようなものなのでしょうか。今回みんなで考えていきたいと思います。

精神障害「2級の年金貰える?」

筆者の事務所で障害年金の無料相談を行っておりますが、長年、うつ病や統合失調症を患っていて、障害年金の請求を検討している方やその家族から、『私は、長年精神障害を患っていますが、障害年金2級を受給できるでしょうか?』という質問を受けることがあります。これは、はっきりいって非常に難しい質問です。相談者やそのご家族のお話から、筆者の数年における経験により、「2級はいけるかな」とか「3級はいけるかな」などと、なんとなくですか判断することはできます。しかし、自覚症状と医師が判断する症状に、相当な解離が生じることもありうるからです。実際今年の夏に精神の障害で年金を請求をした方がいました。10年近く、日常生活が、ご家族の介助なしでは成り立たない状態でありながら、障害年金は3級しかもらえませんでした。診断書の内容、特に「日常生活の能力の判定」や「日常生活の程度」が、実際の症状(ご家族の話を聞いた限りですが)よりも軽く書かれていたような気がして、主治医に相談に行きました。その医師は『この方は障害年金2級をもらうほど、重たい症状ではないです。』と言われました。いっけん、家族の介助が必要で10年近く社会復帰できないような方でも障害年金2級を受給できないこともあるのです。これが、精神障害で2級をもらうということの現実なのかもしれません。かなりハードルが高いのでしょう。

認定基準「精神障害で2級とは?」

精神障害で2級の年金がもらえる状態とは、国年令別表に「精神の障害であって、前各号と同程度(日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度)以上と認められる程度のもの」(16号)が揚げられています。

障害認定基準の第1章第8節/「精神の障害」の認定要領においては、精神障害(統合失調症・統合失調症型障害及び妄想性障害・気分(感情)障害など)で障害等級2級に該当するものの例示として、「1 統合失調症によるものにあたっては、残遺状態又は病状があるため人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるため、日常生活が著しい制限を受けるもの」「2 気分(感情)障害によるものにあたっては、気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その状態は著しくはないが、これが持続したり又は繰り返し、労働が制限をうけるもの」などが揚げられています。しかし、これを見て、何が障害年金の2級で、何が2級じゃないのかは、さっぱりわかりません。そもそも精神障害の症状は検査で数値化できるものではないですよね。いったい、上記の状態にあるというのは、何を根拠にそう判断しているのでしょうか。

精神障害「診断書の重要項目」

では、精神障害での等級はどうやって判定しているのでしょうか。それは精神障害の診断書の裏側「日常生活能力の判定」という箇所が大きくものをいいます。日常生活能力がどれだけあるのか、ということを医師が判断し、7項目についてそれを4段階に分けて、診断書に記入していくのです。実はここが、精神障害の障害年金支給において肝となるのです。ちなみにその7項目とは、1適切な食事摂取、2身辺の清潔保持、3金銭管理と買い物、4、通院と服薬、5、他人との意思伝達及び対人関係、6、身辺の安全保持及び危機対応、7社会性、です。これらの7項目を医師が4段階に分けて評価します。その4段階とは、軽い順に、1できる、2、自発的にできるが時には助言や指導を必要とする、3自発的かつ適正に行うことは出来ないが助言や指導があればできる、4助言や指導をしてもできない若しくは行わない、というものです。この7項目がそれぞれ、4段階の重いほうにどれだけ評価されるかどうかが、障害年金支給の当否の分かれ目となるのです。

精神障害「ガイドラインで2級とは」

ところで、平成28年の9月より、「国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン」が適用されることになりました。以下が年金機構のホームページより、そのガイドライン運用開始について記載した箇所の抜粋です。

障害基礎年金や障害厚生年金等の障害等級は、「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」に基づいて認定されていますが、精神障害及び知的障害の認定において、地域によりその傾向に違いが生じていることが確認されました。

こうしたことを踏まえ、精神障害及び知的障害の認定が当該障害認定基準に基づいて適正に行われ、地域差による不公平が生じないようにするため、厚生労働省に設置した「精神・知的障害に係る障害年金の認定の地域差に関する専門家検討会」において、等級判定の標準的な考え方を示したガイドラインや適切な等級判定に必要な情報の充実を図るための方策について、議論がなされました。

今般、当該専門家検討会の議論を踏まえて、精神障害及び知的障害の認定の地域差の改善に向けて対応するため、厚生労働省において、ダウンロードのリンク 新規ウインドウで開きます。『国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン』(PDF 6,597KB)を策定し、本年9月1日から実施することとされました。

このガイドラインが運用されるまでの経緯については、ここでは詳しく触れませんし、またその是非についても今さら議論するつもりもありません。ガイドラインの運用の仕方としては、精神の診断書の「日常生活能力の判定」と「日常生活の程度」を点数化して、等級を客観的に判定するというものです。このガイドラインである程度振り分けて、あとは総合的(療養状況・生活環境・就労状況などを勘案する)に評価し、正式に等級を決定するというものです。このガイドラインによれば、「日常生活の程度」が(3)の場合、「日常生活能力の判定」が3・0以上3・5未満の場合は2級。2・5以上3・0未満の場合は2級から3級。2・0以上2・5未満の場合は2級から3級となるといいます。このガイドラインによれば「日常生活の程度」が(3)の場合、「日常生活能力の判定」が3・0以上でなければ障害年金2級支給は「微妙」となるのでしょうか。ガイドラインが運用になってから、この記事を書いている現在までにおいて、筆者の請求した精神の障害年金の方は数件あるのですが、いまのところ結果はでていません。しかし、精神の障害年金のハードルはさらに上がっていくような気がします。

精神障害「医師に伝えること」

日常生活は日常でおきている

精神障害で2級の年金を受給できるかどうかは、上記のとおり、診断書の「日常生活能力の判定」の評価をどう受けるかが肝心であるということがよくわかっていただけたかと思います。「ガイドライン」の適用により、その傾向はさらに高まるでしょう。精神障害の年金は、他の傷病と違い数値で判断しづらいものです。実際にとある精神科の医師からもうかがったことがあるのですが、診断書の「日常生活能力の判定」の7項目を完璧に医師は把握できない場合があるといいます。それは、日常生活は読んで字のごとく日常でおきており、診察室ではおきていないからです。本当の意味で、日常生活能力を把握しているのは、身近な人間(家族・施設職員など)です。ですから、診断書を依頼する時は、改めてですが、日常生活のありのままをうったえる必要があります。口頭で言うのが難しいのなら、紙に書いて渡すことや、家族の協力を受けることが大事ではないでしょうか。過大にうったえる必要はありません。ありのままの日常生活能力を医師に伝えるべきではないでしょうか。

「私は精神障害で2級の年金をもらえますか?」

よくある質問です。しかし、それは筆者のような社会保険労務士に簡単に判断できるものではありません。精神障害の年金の診断書の「日常生活能力の判定」の医師の評価が障害年金の当否を大きく分けるといって部分は否定できませんが、本人の自覚症状と医師の判断に若干のずれが生じることもありえます。診断書を作成依頼する時は、実際の日常生活の状態を、改めてうったいてみることも必要かもしれません。